職人の技術で生まれる味噌

  • 気持ち新たに新年がスタートしました。
    今が最も寒さが厳しいころ、立春の前日2月3日までが寒の入りといいます。

    この期間に精神鍛錬として寒中げいこや寒中水泳する姿が見られます。また、大寒の日に産まれた卵を“大寒卵”といい、子供が食べると体が丈夫になり、大人が食べると金運が上がるとされ大変縁起が良いとされています。

    野菜特に葉物たち(露地もの)は寒さに耐え忍ぶため、身が凍らないように自らデンプンをブドウ糖に変えます。
    よって店で出回る寒ちぢみほうれん草や寒ちぢみ小松菜は茎が太く短く葉が縮れていて、柔らかで甘味が強いのが特徴です。
    一方でこの頃には毎日の食卓に欠かすことのできない味噌や醤油、酒の寒仕込みが盛んに始まります。

    私はお正月の漆塗りの重箱から伊達巻を作るときに使う鬼すだれ、おひつや飯台、漬物樽など、木製の伝統工芸の素晴らしさにいつも感動しています。
    私たち日本人は長年木と共に暮らしてきました。木の耐久性、抗菌性を利用した先人たちの知恵には驚かされます。

    味噌が出来上がるまでには様々な職人が携わっています。
    味噌を仕込む際に使う樽作りの職人、仕込・熟成を極める職人などです。味噌は地域により様々な味噌があります。
    原料の違いもありますが、気候風土により発酵熟成の仕上がりには違いが出てきます。
    東日本は主に米こうじ味噌ですが、中部地方は豆味噌、関西は白みそ、九州地方は麦みそなどがあります。
    寒い季節の味噌鍋は体が芯まで温まります。

    味噌は冷え性の方にはおすすめです。また数の子や卵黄を味噌漬けにするのも酒の肴によく合います。
    冬ならではの味噌の使い方をお楽しみください。

    今年も美味しい味噌パワーで健康的な一年になりますようお祈りしています。