本サイト開設にあたって

  • 私がひたちなか市にクッキングスクールを立ち上げて、約40年が経ちました。この間に、日本人の生活も様変わりしました。今はお金さえあればなんでも買えます。お惣菜やお弁当を買うのに抵抗がなくなり、大変豊かな時代になりました。でも、その便利さと引き換えに、大きなものを失ってしまったのではないでしょうか。
    みなさんのまわりにも、病気で倒れたりした方がいらっしゃるのではないでしょうか。近年のニュースでは、ガンの低年齢化や運転中に気を失い大きな事故を起こすケースも増えています。糖尿病や高血圧症で通院されている方も多いでしょう。死因の第1位は悪性新生物、つまりガンです。およそ3人に1人がガンで亡くなっています。
    ガンは遺伝的な部分や受動喫煙等必ずしも生活習慣病だけが起因の病気ではありませんが、第2位心血管疾患、第3位脳血管疾患の二つは循環器系疾患でまさに生活習慣病によるものです。
    生活習慣病とは、以前は成人病といわれていたものですが、その名の通り日頃の生活習慣から起きる病気のことです。日本人は古来、穀物や野菜、魚などを食べてきました。ところが、戦後、ご飯をパンに、魚を肉という具合に、高カロリー、高脂肪食へと移ってきました。食生活の欧米化が日本人の体格を向上させたのは事実ですが、その引き換えに肥満が増加し、欧米人と同じように生活習慣病に悩まされるようになりました。
    私の生家は江戸時代から続く醤油の醸造元で、私は大家族の中で育ちました。父と母、4人の弟妹、祖父母、その弟夫婦、いとこ夫婦。家族の中に明治生まれの女性が4人もいたのです。さらに職人たちもいましたから、朝だけでもご飯を5升も炊いていました。母は朝から晩まで重労働でした。祖母や曾祖母があまりにも厳しいので、子供のころはなんて意地悪ババアなんだろうと、私はしばしば思ったものです。しかし祖母たちには食について、いろいろな知恵を教えてもらいました。
    人間の生き方には節目があり、1年間にも1日にも節目があります。私たちが朝昼晩を食事によって区切っているように、その節目を教えるのは食です。食はすべてを含んだ生きる仕組みなのです。
    この神州一味噌さんのホームページを通して、日本人にとっての和食の意味、健康の裏づけをお伝えすることによって、皆様の健康の一助になることを、お子様の健康や笑顔、ご家庭の中で少しでもお役に立てれば、こんなにうれしいことはありません。

  • 根本悦子