正月を彩るおせち料理を知る

  • 皆様はおせち料理・行事食をたべていますか。
    以前アンケートをとったところ、お正月のおせち料理を毎年必ず食べると答えた人は全体の6割でした。
    今は節句行事そのものが影をひそめ気味で、節句料理を知らない子供も増えています。
    もう一度見直して、次の世代に伝えていきたいものです。

    おせち料理はめでたさを重ねる、福を重ねるという意味で、お重に詰めて供されます。
    正式には四段(与と書きます)ですが、現在は三段重が一般的です。
    関東地方では壱の重には祝い肴として数の子・黒豆・ごまめを入れます。
    地方により異なりますが、弐の重にはきんとん、伊達巻、矢羽羊羹などの甘くてきれいなものを、参の重には山の幸、海の幸を中心にした煮物や焼き物を、与の重には野菜など畑の物を入れます。
    これらの食材は酸性食品とアルカリ性食品のバランスが良く、健康を守る知恵がぎっしりと詰まっています。
    普段の食生活にもこのバランスを参考に、酢の物を取り入れたり、煮野菜、豆の摂取は現代の食生活に不足しているものばかりです。
    例えば冬の献立例では、
    朝:ごはん、ほうれん草と油揚げのみそ汁、葱納豆、さんまの干物大根おろしの梅えのき添え、みかん 昼:けんちんそば、柚子味噌こんにゃく、バナナヨーグルト 夕:ごはん 牛肉れんこんのポン酢、海藻きのこサラダ、さつま芋のいとこ煮など、参考になさってみてください。
    おせち料理になぜ、このような食材を選んで詰めたのか、食材はどこで作られているのかもう一度ご家族間で話し合ってみてください。

    もうひとつ大切なものは、元日の朝、福茶(皇福茶)を飲み、お屠蘇(おとそ)を頂くということです。
    福茶はその昔、疫病防止に役立ったという言い伝えがあります。淹れ方は湯のみに昆布、梅干しを入れ緑茶を注ぎます。
    お屠蘇は中国から伝わった漢方薬で、延命長寿を願って頂きます。
    和食の文化を見つめなおす良い機会です。
    本年も心身ともに健康な一年が過ごせますよう願っております。