かしこく良質のアブラを。「味噌+n-3系脂肪酸(オメガ3)」でおいしい美容効果

「脂質」は、三大栄養素の一つで、体の細胞膜の成分やホルモンの材料などになったり、脂溶性ビタミンの吸収に役立ったり、人間にとって欠かせない栄養素です。
味噌は種類によっても異なりますが、約5~10%の良質な脂質が含まれています。味噌中の脂質は、大豆の細胞膜に包まれているので、分離や酸化が防げて安定しているのが特徴です。

ちなみに、大豆の有効成分の中でも機能性が高く注目されているのが大豆油。
大豆油に含まれる「リノール酸」と「大豆レシチン」には、コレステロールの上昇を抑える効果があることがわかっています。
大豆から味噌に加工された場合も効果は変わらないのでご安心を。

コレステロールは、人間にとって必要な成分ですが、血中の悪玉コレステロール量が増えると、生活習慣病をまねくおそれがあるので注意が必要です。

脂質の主成分である「脂肪酸」は、乳製品や肉などの動物性脂肪に多く含まれる「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に大別されます。
「不飽和脂肪酸」には、オリーブ油などに多く含まれる「一価不飽和脂肪酸」、青魚や植物油などに多く含まれる「多価不飽和脂肪酸(n-3系、n-6系)」があります。

どちらも欠かせない脂肪酸ですが、生活習慣病予防や美容効果が期待される「n-3系脂肪酸(オメガ3)」に注目が集まっています。
体内で生成できない上、現代人は不足しがちなので意識的に摂取したい栄養素です。

美容や健康のために、「n-3系脂肪酸(オメガ3)」を含む食品を積極的に摂取している方も多いと思いますが、私は、「亜麻仁油」がお気に入り。
こちらは熱に弱く酸化されやすいので、ドレッシングがおすすめです。
食べる直前に味噌と酢を同量合わせ、亜麻仁油を適量加えれば完成。
週に2、3回のペースで食べていますが、肌にもっちり感が出た気がします。

そのほか、「n-3系脂肪酸(オメガ3)」が摂れる代表格といえば、EPAやDHAが豊富な青魚。
EPAは血液サラサラ効果、DHAは脳の活性化に効果的といわれています。
「さばの味噌煮」は、体にとっても最高のごちそうですね。

植物油やマヨネーズなど、普段の調理で使う油はわかりやすいのですが、食材に含まれている「見えないアブラ」にも意識してみましょう。
外食では、どうしても油っこい食事、肉類が多くなりがちなので、おうちでは、「味噌+n-3系脂肪酸(オメガ3)」で、“良質のアブラ”をかしこく摂取! 
おいしい&美容効果をものにしちゃいましょう。

【参考資料】
『みそ知り博士のQ&A50』(みそ健康づくり委員会)
『カラー図解 栄養学の基本がわかる事典』(西東社)