もっと味噌汁を飲みましょう

  • 木々の葉が色濃く染まり、日本の数々の伝統行事の中でも年末年始に向けた準備の行事等も始まる頃になりました。

    まず、11月6日の酉の市では正月準備を告げる風物詩です。
    熊手などの縁起物を購入し、1年の無事と来る年の福を願います。

    そして亥の月(旧暦10月)最初の亥の日(11月8日)には田の神に収穫への感謝を込めて亥の子もちを供えて、亥の刻(午後21時~23時)に家族で食べながら無病息災と子孫繁栄を祈ります。
    亥の子もちとは新米に大豆や小豆の粉を混ぜて、亥の子(うりぼう)に似せてつくったもちのことです。
    また、茶の湯の世界では、亥の日に炉に火を入れる習慣があり(炉開き)、このときに今年の新茶を茶壷で半年寝かせて挽いた抹茶は格別においしいものです。

    さて、この時期になると畑でひっそりと大地の恵みを充分に吸い上げて収穫のときを待つのは“大豆”です。
    大豆は米の伝来よりも古いともいわれていて、五穀のひとつであり(大豆・米・麦・アワ・ヒエ)、豆と食文化には深い結びつきがあります。
    大豆から作られる加工品や発酵食品は実に20種以上あり、農作物の中で一番バリエーション豊かな豆といえるでしょう。
    栄養面にも優れていて、ご飯の炭水化物をエネルギーに変えるビタミンB1、不溶性食物繊維、ミネラル、良質のたんぱく質を含むので“畑の肉”といわれています。

    厚生労働省「平成27年国民健康・栄養調査」によると、日本人の豆類摂取量は1日あたり平均約60gになっています。
    これからの少子高齢化社会を健康で活力あるものにするため、生活習慣病予防、健康寿命をのばすために摂取目標は100gが望ましいとしています。
    そのうち、1日1回はみそ汁で豆類を補いましょう。
    大豆の食物繊維は不溶性ですので、水分を含んで膨張するので便のカサを増やして腸を刺激し、腸の動きを活発にさせて便通をよくする働きがあります。
    ここに、水に溶ける食物繊維であるムチン、ペクチン、フコイダンを含む海藻や里芋などと組み合わせるとバランスの取れたみそ汁になります。
    よってかつお昆布だしで、豆腐とわかめや大根と油揚げ、豚汁やけんちん汁などは理にかなった組み合わせなのです。
    大豆の栄養を味噌という発酵食品で滋養の宝庫となるのです。